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📖 追放された聖女は辺境でスローライフを満喫する~最強の回復魔法で村を復興して、イケメン薬師に愛されちゃいました~

復興の兆し・公然の挑戦

1.1K words

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井戸の異臭を嗅いだユーリは、すぐに水を汲み上げて調べ始めた。リリアも駆け寄り、その様子を不安そうに見守る。ユーリは水を一口含むと、すぐに吐き出した。 「これは……毒だ。何者かが井戸に毒を混入した」 ユーリの言葉に、リリアは息を呑んだ。村人たちの間で、下痢や発熱の症状が広がり始めているという報告が相次いでいた。 「まさか、これが原因なの?」 リリアは井戸の水を見つめながら言った。ユーリは頷き、診療所に戻るよう促した。 「とにかく、村人に警告しなければ。このままでは、毒が広がる一方だ」 二人は急いで診療所に戻り、村人たちに注意を呼びかける準備を始めた。リリアは心臓が高鳴るのを感じた。この村に来てから、初めての大きな危機だった。 診療所には、次々と村人が運び込まれてきた。顔色の悪い子供、震える老人、嘔吐する若者。リリアは回復魔法で重症者を治療しようとしたが、患者が増え続け、魔力が追いつかない。 「リリアさん、こっちにも!」 村人の一人が叫ぶ。リリアは額の汗を拭いながら、次の患者の元へ駆け寄った。ユーリは薬草を調合し、応急処置用の薬を作っている。 「この毒は、人工的に作られたものだ。自然の毒とは違う」 ユーリは薬草をすりつぶしながら言った。リリアは手を止め、ユーリを見つめた。 「人工的……というと?」 「誰かが意図的に井戸に毒を入れたんだ。それも、かなり強い毒だ」 ユーリの言葉に、リリアは唇を噛んだ。まさか、クラウディアが? しかし、確証はない。 「まずは、この薬を村人に配って。症状を抑えられる」 ユーリが差し出した薬を受け取り、リリアは村人たちに配り始めた。しかし、薬はすぐに底をつきそうだった。 「足りない……もっと作らなきゃ」 リリアは薬草を探しに診療所の裏庭へ走ったが、そこにある薬草も限られていた。 「ユーリ、薬草が足りないわ」 リリアが戻って報告すると、ユーリは険しい表情で頷いた。 「わかってる。だが、今はこれで凌ぐしかない。それに、井戸を使うのを止めさせないと」 ユーリは村人たちに呼びかけ、井戸の水を使わないように警告した。しかし、村人の中にはリリアたちを非難する者もいた。 「お前たちが来るまでは、こんなことはなかった!」 「そうだ、何か企んでいるんじゃないか?」 リリアはその言葉に胸を痛めたが、反論せずに治療を続けた。ユーリも黙って薬を作り続けた。 「リリア、大丈夫か?」 ユーリが心配そうに声をかける。リリアは無理に微笑んだ。 「ええ、大丈夫。それよりも、患者さんを助けないと」 リリアは再び回復魔法を使おうとしたが、頭がくらっとした。魔力の消耗が激しいのだ。 「リリア、無理をするな」 ユーリがリリアの肩を支えた。リリアはその手に触れ、少しだけ安堵した。 「ありがとう、ユーリ」 二人は協力して、なんとかその日のうちに応急処置用の薬を大量に作り、村人に配布した。毒の蔓延は一時的に食い止められたが、根本的な解決にはなっていなかった。 診療所の片付けを終え、リリアとユーリは裏庭のベンチに腰掛けていた。夕日が二人を照らしている。 「今日は本当にありがとう。あなたがいなければ、どうなっていたか」 リリアはユーリを見つめて言った。ユーリは優しく微笑んだ。 「俺もだよ。君の回復魔法がなければ、もっと犠牲が出ていただろう」 リリアは手に残った薬草の香りを嗅ぎながら、ぽつりと呟いた。 「この毒……やっぱり、クラウディアの仕業なのかな」 ユーリは真剣な表情で頷いた。 「可能性は高い。彼女は、君を排除するために手段を選ばないからな」 リリアは膝の上で手を握りしめた。 「私がここにいるせいで、村の人たちに迷惑をかけてしまっている」 ユーリは首を振った。 「そんなことはない。君は村のために尽くしてきた。それに、この毒は君のせいじゃない」 ユーリはリリアの手をそっと握った。リリアはその温かさに、少しだけ心が軽くなるのを感じた。 「ユーリ、あなたがいてくれて本当に良かった」 リリアがそう言うと、ユーリは優しく微笑んだ。 「俺もだよ。君と一緒にこの危機を乗り越えられて、嬉しい」 二人はしばらくの間、手を握り合ったまま沈黙していた。リリアはユーリの存在が心強く感じられた。 「さて、明日は井戸の水を何とかしないと。毒の正体を突き止めなければ」 ユーリが立ち上がりながら言った。リリアも頷いた。 「そうね。でも、今日はもう休みましょう。あなたも疲れているでしょう」 ユーリは苦笑しながら、診療所の中へ戻っていった。リリアはその後ろ姿を見つめながら、心の中で誓った。 (この村を、絶対に守ってみせる) リリアは拳を握りしめ、診療所へと向かった。 翌朝、リリアとユーリは井戸の周りを調べていた。すると、村の外れで何かが動く気配がした。リリアが目を凝らすと、不審な男がこちらを伺っているのが見えた。 村の外れで、毒を撒いたと思われる不審な男が目撃される。
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