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📖 追放された聖女は辺境でスローライフを満喫する~最強の回復魔法で村を復興して、イケメン薬師に愛されちゃいました~

辺境への追放・最初の手がかり

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翌朝、リリアは早速、診療所の裏手にある薬草畑へ向かった。昨夜の雨で土は湿り、朝日を受けて葉が輝いている。しかし、畑の一角だけ、異様に枯れた場所があった。リリアはしゃがみ込み、枯れた土を手に取った。匂いを嗅ぎ、指で潰してみる。 「この土……何か変な匂いがする」 リリアは、ユーリを呼びに行こうか迷ったが、その前に自分で調べてみることにした。彼女は、土の色や質感、周りの植物の状態を観察した。すると、枯れた部分の土だけ、黒ずんでいて、油のような光沢があることに気づいた。 「これは……魔獣の血? それとも、何か腐ったものが混ざっている?」 リリアは、ポーチから小さなナイフを取り出し、土を掘り返した。すると、土の中から、黒い塊が出てきた。それは、明らかに自然のものではない、異様な存在感を放っていた。 リリアは、その黒い塊を慎重に取り出し、観察した。それは、魔獣の死骸の一部のようだった。しかし、普通の魔獣の死骸とは違い、異様に腐敗が進んでいて、触れると指先がじんと痺れるような感覚があった。 「これは……魔獣の死骸? でも、こんなに腐っていたら、土が汚染されてもおかしくない」 リリアは、その死骸を布に包んで、ユーリの診療所へ向かった。ユーリは、診療所の入り口で薬草を乾燥させていた。 「ユーリさん、ちょっと見てください」 リリアが布を広げると、ユーリは目を見張った。 「これは……魔獣の死骸か? しかし、これはかなり古いものだな。どうしてこんなものが土の中に?」 「私もそれが気になって。もしかしたら、この死骸が土を汚染して、薬草が枯れているのかもしれません」 ユーリは、死骸を手に取り、まじまじと見つめた。 「確かに、この死骸からは微弱な魔力が感じられる。土壌を汚染している可能性は高いな。しかし、なぜこんな場所に魔獣の死骸が埋まっているんだ?」 ユーリは、考え込むように腕を組んだ。 「もしかしたら、森の奥で魔獣が死んで、その死骸が何らかの理由でここまで流されてきたのかもしれません。あるいは、誰かが意図的に埋めた可能性も……」 リリアは、その言葉に引っかかった。 「意図的に? そんなことをする人がいるんですか?」 「さあな。ただ、この村は最近魔獣の被害が増えている。もしかしたら、何かが関係しているのかもしれない」 ユーリは、そう言ってため息をついた。リリアは、このままではいけないと思った。 「ユーリさん、森の中を調べてみませんか? もしかしたら、他にも手がかりがあるかもしれません」 リリアの提案に、ユーリは少し驚いた顔をした。 「森の中は危険だぞ。魔獣が出るかもしれない」 「でも、このまま何もしないわけにはいきません。それに、薬草を採りに行く必要もあるでしょう? 私もお手伝いします」 ユーリは、リリアの決意を見て、少し考えた後、頷いた。 「わかった。だが、絶対に俺のそばを離れるなよ」 二人は、簡単な準備をして、森へ向かった。森の中は、木々が生い茂り、薄暗かった。足元には、落ち葉が積もり、踏むとサクサクと音がした。リリアは、周囲を注意深く観察しながら歩いた。 しばらく歩くと、ユーリが突然立ち止まった。 「待て。何か気配がする」 ユーリは、警戒した様子で周囲を見回した。リリアも、息を潜めて耳を澄ませた。すると、草むらの中から、ガサガサという音が聞こえた。 次の瞬間、巨大な魔獣が飛び出してきた。それは、狼のような姿をしていたが、体は普通の狼の倍はあり、目は赤く光っていた。 「魔獣だ! 下がっていろ!」 ユーリは、リリアをかばうように前に出た。魔獣は、鋭い牙をむき出しにして、二人に襲いかかろうとしていた。 リリアは、恐怖で足がすくんだが、必死に冷静さを保とうとした。彼女は、魔獣の動きを観察した。すると、魔獣の左後ろ足が、少し不自然に引きずっていることに気づいた。 「ユーリさん、あの魔獣、左後ろ足を怪我してます! そこが弱点です!」 リリアが叫ぶと、ユーリは素早く反応した。彼は、腰に差していた短剣を抜き、魔獣の左後ろ足を狙って斬りかかった。魔獣は、痛みに咆哮を上げ、よろめいた。 「今だ!」 ユーリは、さらに追撃をかけ、魔獣の首を一閃した。魔獣は、どっと倒れ、動かなくなった。 ユーリは、息を切らしながら、リリアの方を向いた。 「よく気づいたな。お前の観察力、なかなかやるじゃないか」 リリアは、ほっと胸をなで下ろした。 「いえ、ユーリさんが素早く動いてくれたからです」 二人は、倒れた魔獣を見下ろした。魔獣の体は、さっきの死骸と同じように、異様に腐敗が進んでいた。 「この魔獣も、何かおかしいな。まるで、何かの病気にかかっているみたいだ」 ユーリは、魔獣の体を調べながら、呟いた。リリアは、その言葉に、ある考えが浮かんだ。 「もしかしたら、この森全体が何かに汚染されているのかもしれません」 リリアの言葉に、ユーリは深く頷いた。 「その可能性が高いな。このままでは、村にも被害が及ぶかもしれない」 二人は、魔獣の死骸をその場に残し、さらに森の奥へ進んだ。すると、開けた場所に出た。そこには、大量の薬草が生えていた。 「これは……貴重な薬草がたくさんある!」 ユーリは、目を輝かせた。リリアも、その光景に驚いた。しかし、よく見ると、薬草の中には枯れているものもあった。 「この薬草も、何か影響を受けているみたいですね」 リリアは、枯れた薬草を手に取って観察した。すると、根元に、さっきの魔獣の死骸と同じような黒い塊が付着しているのを見つけた。 「ユーリさん、これも同じです。この黒い塊が、薬草を枯らしているんだと思います」 ユーリは、リリアの指差す先を見て、顔をしかめた。 「これは……魔獣の死骸の一部だな。どうやら、この森全体に、魔獣の死骸がばらまかれているようだ」 ユーリは、そう言って、周囲を見渡した。 「誰かが、意図的にやっているとしか思えないな」 リリアは、その言葉に、背筋が寒くなった。 「そんなことをして、何の得があるんですか?」 「さあな。だが、このまま放っておけば、村の薬草畑も全滅するかもしれない」 ユーリは、そう言って、深いため息をついた。リリアは、何とかしなければという思いを強くした。 「ユーリさん、この薬草を採って帰りましょう。そして、村の人たちに、このことを知らせないと」 リリアの提案に、ユーリは頷いた。二人は、できるだけ多くの薬草を採集し、村へ戻ることにした。 村への帰り道、ユーリはリリアに話しかけた。 「さっきは、よく気づいたな。あの魔獣の弱点に、よく気づけたものだ」 リリアは、少し照れながら答えた。 「いえ、ただ、魔獣の動きが少し変だと思ったんです。それに、足を引きずっていましたから」 「それに気づくとは、なかなか観察力がある。お前の知識は、本物みたいだな」 ユーリは、そう言って、少しだけ笑った。リリアは、その言葉が嬉しかった。 「ありがとうございます。でも、まだまだ勉強することがたくさんあります」 「そうだな。だが、お前がいてくれて助かった。これからも、よろしく頼む」 ユーリの言葉に、リリアは力強く頷いた。 「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」 二人は、診療所に戻ると、採ってきた薬草を乾燥させる準備を始めた。リリアは、薬草を一つ一つ丁寧に洗い、ユーリはそれを干すための棚に並べた。 「そういえば、ユーリさんは、どうしてこの村に来たんですか?」 リリアが何気なく尋ねると、ユーリは少し間を置いてから答えた。 「……いろいろあってな。この村で、薬師として働くことにしたんだ」 ユーリは、それ以上は話そうとしなかった。リリアは、それ以上追及しないことにした。 「そうなんですね。私も、追放されて、行く場所がなくて、ここに辿り着きました」 リリアがそう言うと、ユーリは少し驚いた顔をした。 「追放? お前が?」 「はい。聖女として教会に仕えていたんですが、冤罪を着せられてしまって……」 リリアは、自分の過去を簡単に話した。ユーリは、黙って聞いていた。 「大変だったんだな」 ユーリは、そう言って、リリアの頭をそっと撫でた。リリアは、その優しい仕草に、少し驚いた。 「でも、ここでなら、ゆっくり暮らせるかもしれない。俺も、できる限り手伝うから」 ユーリの言葉に、リリアは胸が温かくなった。 「ありがとうございます。ユーリさん」 リリアがそう言うと、ユーリは微笑んだ。 「さて、そろそろ夕食の時間だな。何か作ってくれるか?」 「はい、喜んで!」 リリアは、嬉しそうに台所へ向かった。ユーリは、その背中を見つめながら、何かを考えているようだった。 夕食後、リリアは片付けをしていた。ユーリは、窓の外を見ながら、何か考え込んでいるようだった。リリアが声をかけようとしたその時、ユーリが口を開いた。 ユーリが「君の追放には裏がある」と呟き、リリアは驚く。
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