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📖 追放された聖女は辺境でスローライフを満喫する~最強の回復魔法で村を復興して、イケメン薬師に愛されちゃいました~

辺境への追放・決戦前夜

1.2K words

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「写しがあるの?」 リリアの問いかけに、ユーリは頷いた。肩の包帯が痛々しいが、その目はしっかりとリリアを見据えている。 「ああ。あの手紙は、俺が宮廷にいた頃に写しを取っておいたんだ。原本は奪われたが、写しは別の場所に隠してある」 リリアは胸を撫で下ろした。だが、次の瞬間、ユーリの言葉に息を呑む。 「ただし、その写しは師匠の隠れ里にある。ここからかなり遠い場所だ」 「師匠……?」 「俺が薬師としての修行を積んだ、森の奥の隠れ里だ。今は誰もいないが、写しを隠すには安全な場所だと思ってな」 リリアはユーリの顔を見つめた。彼はまだ回復途中で、無理をすれば傷が悪化する。それに、村にはクラウディアの手先がいつ来てもおかしくない。 「ユーリさん、私が行きます」 「何を言うんだ。君は魔力を失っているんだぞ。危険な森を一人で抜けるなんて」 「でも、ユーリさんは動けないでしょう。それに、私の回復魔法は不安定で、また暴走するかもしれない。ここに残って村を守る方がいい」 リリアは立ち上がり、決意を固めた。ユーリは反論しようとしたが、リリアの強い眼差しに押し黙った。 「分かった。だが、絶対に無理はするなよ」 ユーリはそう言って、リリアの手を握った。その手は温かく、リリアの心を落ち着かせた。 「必ず戻ってきます」 リリアはそう約束し、準備を始めた。 リリアはまず、村の防衛策を指示した。診療所に集めた村人たちに、彼女は地図を広げて説明する。 「この森の入り口に、罠を仕掛けてください。魔獣避けの薬草を撒いておけば、しばらくは近づけません」 村人たちは不安そうな顔をしていたが、リリアの指示に従い始めた。彼女はユーリの看病を村の女性たちに託し、自分は旅支度を整える。 「リリア様、本当に行かれるのですか?」 村の若者が心配そうに尋ねる。リリアは微笑みながら頷いた。 「ええ。ユーリさんの証拠を取ってきます。それに、この村を守るためにも」 リリアは背嚢に薬草や食料を詰め、杖を手に取った。魔力は失っているが、薬草の知識と体術で何とかするしかない。 「行ってきます」 リリアが村の入り口まで来たとき、ユーリが無理に起きて見送りに来ていた。 「ユーリさん、無理をしないでください!」 「すまない。だが、どうしても伝えたくて」 ユーリはリリアの手を握り、真剣な目で言った。 「必ず戻ってきてくれ」 リリアはその言葉に強く頷いた。 「はい。必ず」 リリアはユーリの手を離し、森へと足を踏み入れた。背後で村人たちが見送ってくれている。 森の中は薄暗く、足元が悪い。リリアは慎重に進みながら、周囲の気配を探った。クラウディアの手先がいつ襲ってきてもおかしくない。 「……っ」 突然、後ろで物音がした。リリアは振り返るが、誰もいない。気のせいかと思い、再び歩き出した。 しかし、その時だった。村の方角から、怒声が聞こえてきた。 「おい、聖女リリアはどこだ!」 リリアは足を止めた。声の主は、明らかに村人ではない。 「まさか……」 リリアは唇を噛んだ。クラウディアの手先が、もう村に到着したのだ。 「ユーリさん、村人たち……」 リリアは戻ろうか迷ったが、ここで戻れば証拠の写しを取ることはできない。それに、ユーリが言っていたように、写しがなければ冤罪を晴らすことはできない。 「信じて……待っていて」 リリアは心の中で呟き、森の奥へと足を進めた。 リリアが森へ入った直後、村の入り口に数人の男たちが現れた。彼らは黒いローブを身にまとい、鋭い目つきで村を見渡している。 「おい、聖女リリアはどこだ?」 先頭の男が村人に詰め寄る。村人たちは震え上がり、言葉を失った。 「知らない……知らないよ」 「ふざけるな! 教会の命令だ。リリアを連れて来い!」 男は村人の胸ぐらを掴み、壁に押し付けた。村人たちは悲鳴を上げ、逃げ惑う。 「やめてください!」 ユーリが診療所から飛び出してきた。肩の傷を押さえながら、男たちの前に立ちはだかる。 「リリアなら、もうここにはいない!」 「何? どこへ行った?」 「知らん。だが、お前たちに渡すわけにはいかない」 ユーリは男たちを睨みつけた。男たちはユーリの様子に一瞬たじろいだが、すぐに笑みを浮かべた。 「ほう、元宮廷薬師のユーリか。お前もリリアの仲間だな」 「関係ない。村人を解放しろ」 「ふん、その傷で何ができる?」 男たちはユーリを取り囲んだ。ユーリは身構えるが、肩の痛みで動きが鈍る。 「くっ……」 その時、村の女性が叫んだ。 「リリア様は森へ行ったんだ! もう追いかけても無駄だぞ!」 男たちは顔を見合わせ、森の方を睨んだ。 「森か……あの女、魔力を失ったはずだ。すぐに追いつける」 「いや、待て。森は魔獣が多い。無駄に消耗するより、村を抑えた方がいい」 男たちは村人たちを広場に集め始めた。ユーリは歯を食いしばり、無力さに拳を握った。 「リリア……無事でいてくれ」 ユーリは心の中で祈った。 リリアは森の奥へ進みながら、村の怒声が遠ざかっていくのを感じた。彼女は足を止め、振り返った。 「ユーリさん、村人たち……どうか無事で」 リリアは祈るように呟き、再び歩き出した。しかし、その足音は、村の方向から近づいてくる複数の足音によって遮られた。 リリアが森に入った直後、クラウディアの手先が村に到着し、村人たちを脅し始める。
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