📖 追放された聖女、呪われた公爵と契約結婚して最幸のスローライフを手に入れる
陰謀の影・公然の挑戦
翌朝、公爵邸の広間には緊張が張りつめていた。昨夜の洞窟での発見から、リリアとアルフレッドはクラウディアの陰謀を暴くための準備を進めていた。しかし、その矢先、突然、重厚な扉が開かれ、クラウディアが数人の聖騎士を従えて現れた。彼女は優雅に微笑みながら、二人の前に立った。
「お久しぶりですわ、公爵様。そして、元聖女リリア様」
リリアは身構えた。クラウディアがこんな場所に直接現れるとは思っていなかった。アルフレッドも警戒を緩めず、一歩前に出た。
「クラウディア枢機卿、何の用だ」
クラウディアは手に持った書類をひらりと掲げた。
「教会の決定を伝えに参りました。この領地は呪いの根源として、聖女の力で浄化する必要があります。つきましては、リリア様には聖女としての責務を果たしていただきます」
リリアは唇を噛んだ。彼女の言葉は、明らかに自分たちを追い詰めるためのものだ。
リリアはクラウディアの要求をはっきりと拒否した。
「お断りします。私はもう聖女ではありません。そして、公爵様と領民を守るためにここにいます」
クラウディアは笑みを深めた。
「まあ、強情なこと。ですが、あなたの拒否は意味を成しませんわ。公爵様の呪いは、すでに私の手中にあるのですから」
そう言うと、クラウディアは手をかざした。瞬間、アルフレッドが苦しみ始めた。彼は胸を押さえ、膝をつく。
「ぐっ……!」
「公爵様!」
リリアは駆け寄ろうとしたが、クラウディアの声が響いた。
「動かないでください。抵抗すれば、呪いはさらに強まりますわ」
アルフレッドの顔色は青ざめ、額には汗が浮かんでいる。リリアは必死に状況を理解しようとした。クラウディアが呪いを操っているのだ。
「やめろ! 公爵様を傷つけるな!」
リリアは叫び、自分の力を使うことを決意した。彼女は手をアルフレッドに向け、浄化の光を放った。しかし、その光はクラウディアの魔力に弾かれてしまう。
「無駄ですわ。あなたの力は不安定で、私の魔力には敵いません」
クラウディアは嘲笑うように言った。リリアは歯を食いしばった。彼女の言う通り、力の制御はまだ不完全だ。だが、それでも諦めるわけにはいかない。
リリアは深呼吸をし、集中した。彼女は自分の内側に流れる聖なる力を感じた。そして、それをアルフレッドの呪いに直接注ぎ込んだ。
「私の力……届いて!」
光がアルフレッドを包み込む。クラウディアは驚いた表情を見せた。
「な……!?」
アルフレッドの苦しみが少し和らいだ。彼はゆっくりと顔を上げ、リリアを見た。
「リリア……」
リリアはふらつきながらも、立ち上がった。彼女の顔には疲労の色が濃い。しかし、彼女はクラウディアを睨みつけた。
「公爵様を守る。私は、もう逃げない」
クラウディアは一歩後退し、リリアを値踏みするように見つめた。
「ほう……あなた、なかなかやりますわね。ですが、これで終わりだと思うな」
彼女は手を挙げると、広間の空気が歪み始めた。黒い霧が渦巻き、そこから巨大な魔物が姿を現した。それは、鋭い牙と赤い目を持つ、異形の獣だった。
「この魔物は、あなたたちを始末するために用意したものです。せいぜい足掻きなさい」
クラウディアはそう言い残すと、聖騎士たちと共に姿を消した。広間には、魔物と二人だけが残された。
リリアはアルフレッドのそばに駆け寄り、彼を支えた。
「公爵様、大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか……リリア、君のおかげだ」
アルフレッドは立ち上がり、魔物を睨んだ。
「あれを倒さなければ」
リリアは頷いた。彼女の手はまだ震えているが、目は力強く輝いていた。
「一緒に戦いましょう」
アルフレッドはリリアの手を握り、微笑んだ。
「ああ、二人でなら、きっと倒せる」
二人は魔物に向かって構えた。リリアは自分の力がまだ不安定であることを感じていたが、それでもアルフレッドと共に立ち向かう決意を固めた。
魔物が唸り声を上げ、二人に飛びかかろうとしている。リリアはアルフレッドと視線を交わし、同時に動き出そうとした。しかし、その時、魔物の背後にさらに黒い霧が発生し、新たな魔物が召喚されようとしていた。
クラウディアはリリアの抵抗を見て、さらに強力な魔物を召喚する。






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