📖 追放された聖女、呪われた公爵と契約結婚して最幸のスローライフを手に入れる
陰謀の影・最初の手がかり
リリアは、怪しい人物と対峙した直後、その男が森の奥へ逃げ出すのを見た。護符の光がまだ手の中で温かい。彼女は迷わずその後を追った。足音を殺し、木々の間を縫うように進む。男は時折振り返り、魔法を放とうとするが、リリアは護符の力で防ぎながら距離を詰める。しばらく追跡を続けると、男は開けた場所に現れた洞窟の前で立ち止まった。
「ここまで来たか。だが、これ以上は進ませない」
男は洞窟の入り口に魔法陣を描き、結界を張ろうとする。しかし、リリアはすかさず浄化の光を放ち、魔法陣をかき消した。
「あなたの目的は何? クラウディアは何を企んでいるの?」
男は答えず、洞窟の中へ消えた。リリアは警戒しながら洞窟へ足を踏み入れた。中は薄暗く、湿った空気が漂う。壁には古い魔法陣が刻まれ、床にはろうそくの跡が無数に残っていた。明らかに儀式が行われた痕跡だ。
リリアは洞窟の奥へ進むと、中央に祭壇のような石台があり、その上に黒い布がかけられていた。布をめくると、そこには見覚えのある紋章が刻まれた短剣と、クラウディアの署名入りの手紙があった。手紙には、公爵の命を絶つための呪いの儀式を実行するよう指示が書かれている。リリアは息を呑む。
「これは……公爵様を殺すためのもの?」
リリアは手紙を読み進めると、儀式には聖女の力が必要であり、そのために自分が狙われていることも記されていた。彼女は証拠を懐にしまい、洞窟を出ようとした。しかし、その時、入り口に複数の気配を感じた。
「逃げられると思ったか?」
先ほどの男が、さらに数人の手下を連れて立ちはだかっていた。彼らは一斉に魔法を放つ。リリアは護符で防御しつつ、浄化の光で反撃するが、数が多く、徐々に押され始める。
「くっ……このままでは」
リリアは体力の限界を感じながらも、なんとか隙を見つけて洞窟の外へ飛び出した。しかし、手下たちは追ってくる。森の中を必死に走りながら、リリアは護符に込められたアルフレッドの魔力を感じた。
「公爵様……力を貸してください」
護符が強く輝き、リリアの周囲に光のバリアが張られる。手下たちの魔法がバリアに弾かれ、彼らは驚いて立ち止まった。リリアはその隙に距離を稼ぎ、なんとか逃げ切ることができた。
森の出口近くまで来たところで、リリアは息を切らして立ち止まった。手には証拠の手紙と短剣がある。彼女はこれがクラウディアの陰謀の決定的な証拠だと確信した。
リリアは公爵邸に戻り、アルフレッドの部屋へ急いだ。彼はベッドで休んでいたが、リリアの顔を見て起き上がった。
「リリア、無事だったか。何があった?」
リリアは洞窟で見つけた手紙と短剣を差し出した。アルフレッドはそれらを手に取り、手紙を読むと、表情が険しくなった。
「これは……クラウディアの筆跡だ。まさか、ここまでとは」
「公爵様、クラウディアはあなたの命を狙っています。そして、私の力も利用しようとしているんです」
アルフレッドはリリアの手を握り、真剣な眼差しで言った。
「リリア、君を危険に巻き込んでしまった。すまない」
「いいえ、私は自分の意志でここにいます。公爵様と領民を守りたいんです」
二人はしばらく見つめ合った。リリアの言葉に、アルフレッドは感謝の気持ちで胸が熱くなった。
「この証拠があれば、クラウディアの陰謀を暴ける。だが、彼女を倒すには、呪いを解く方法を見つけなければならない」
アルフレッドは手紙を置き、リリアを見た。
「リリア、君と共に戦いたい。この運命を乗り越えるために」
リリアは頷き、微笑んだ。
「はい、公爵様。二人でなら、きっとできます」
二人は固く手を握り合い、新たな決意を固めた。
アルフレッドは立ち上がり、窓の外を見つめた。
「クラウディアを倒すには、彼女が行っている呪いの儀式を止めなければならない。そのためには、彼女の拠点を突き止める必要がある」
リリアも隣に立ち、覚悟を決めた。
「次の行動を計画しましょう」
アルフレッドは振り返り、リリアの目を見て言った。
公爵はクラウディア打倒を決意し、リリアと共に次の行動を計画し始める。






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