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📖 追放された聖女、呪われた公爵と契約結婚して最幸のスローライフを手に入れる

契約結婚の始まり・反撃

1.5K words

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前夜、アルフレッドが自らの呪いの秘密を打ち明けた後、リリアはその重みを受け止め、二人は教会の陰謀を暴くための具体的な計画を練り始める。 夜明け前の公爵領は、まだ深い闇に包まれていた。執務室の灯りだけが、ひそやかに揺れている。リリアは机の上に広げた地図を見つめながら、アルフレッドの言葉を反芻していた。 「教会が、あなたの家系に呪いをかけた……それが本当なら、私たちにできることはあるのでしょうか」 アルフレッドは窓辺に立ち、外の闇を見つめたまま答えた。 「手がかりはある。教会の使者が、定期的に領地を訪れている。おそらく、呪いの進行を確認しているのだろう」 リリアは顔を上げ、彼の背中に問いかけた。 「その使者を捕まえれば、教会の陰謀を証明できるかもしれません」 アルフレッドは振り返り、鋭い目でリリアを見た。 「危険だ。君を危険に晒すわけにはいかない」 「でも、このままでは何も変わりません。私は、あなたのために動きたいのです」 リリアの決意に、アルフレッドは少し驚いたように目を細めた。そして、ゆっくりと頷いた。 「……わかった。だが、無理はするな。必ず私が守る」 そう言って、彼はリリアの隣に歩み寄り、地図の一点を指さした。 「この森の中に、教会の使者が通る道がある。明日の早朝、ここで待ち伏せしよう」 リリアはその場所を確認し、頷いた。 「わかりました。では、私は囮になります」 アルフレッドは眉をひそめたが、リリアの強い意志を感じ取り、反対しなかった。 「……気をつけて」 その言葉に、リリアは微笑みを返した。 「ええ、あなたと共に、必ず真実を掴みましょう」 こうして、二人は教会の陰謀を暴くための第一歩を踏み出そうとしていた。 翌朝、公爵領の森は霧に包まれていた。リリアは単独で森の中を歩きながら、周囲の気配を探っていた。アルフレッドは物陰に隠れ、彼女の安全を確保している。 しばらく歩くと、前方に黒いローブをまとった人物が現れた。教会の使者だ。リリアは足を止め、平静を装って声をかけた。 「おや、こんな早朝に教会の方が森の中を歩いていらっしゃるとは、珍しいですね」 使者はリリアを認めると、不気味な笑みを浮かべた。 「これはこれは、追放された聖女様ではありませんか。何かお探しですか?」 「ええ、あなたが運んでいるものに興味があって」 リリアがそう言うと、使者の表情が険しくなった。 「お前には関係のないことだ。大人しくしていれば、痛い目を見ずに済むものを」 使者は懐から小さな水晶を取り出した。それは聖女の力を封じる魔道具だと、リリアは直感した。 「その力、使わせてもらうぞ」 使者が水晶を掲げると、リリアの体から力が抜けていく感覚に襲われた。彼女は膝をつき、息を荒げた。 「ぐっ……これは……」 「聖女の力も、これで封じられた。もうお前は無力だ」 使者はリリアに近づき、彼女を捕らえようとした。その時、物陰からアルフレッドが飛び出した。 「リリア!」 彼は使者に斬りかかるが、使者は素早く後退し、水晶を掲げた。 「公爵様、あなたの呪いの力も、この水晶で封じることができる。無駄な抵抗はやめなさい」 アルフレッドは歯を食いしばり、何かを決意したように目を閉じた。そして、低い声で呟いた。 「……ならば、呪いごと、力を使うまでだ」 彼の体から黒い瘴気が溢れ出し、腕の紋様が光り輝いた。アルフレッドは苦痛に顔を歪めながらも、その力を解き放った。 「うあああっ!」 瘴気が使者を襲い、使者はたまらず後退した。水晶の光が揺らぎ、リリアの力が戻り始めた。 「今だ、リリア!」 アルフレッドの叫びに、リリアは力を振り絞って立ち上がった。彼女は手をかざし、浄化の光を放った。 「くっ……そんな!」 使者は光に包まれ、動きを止めた。リリアはその隙に、使者の懐から書類を奪い取った。 「これが証拠です」 アルフレッドは瘴気を収め、よろめきながらもリリアのそばに歩み寄った。彼の顔は苦痛に歪んでいたが、リリアを見ると安堵の表情を浮かべた。 「よくやった」 リリアは彼の腕を支えながら、使者を見下ろした。使者は気を失っている。 「この者を捕らえましょう。そして、この書類を調べれば、教会の陰謀が明らかになるはずです」 リリアはアルフレッドの腕を支えながら、彼の苦しそうな表情を見つめた。彼の腕には、さっきよりも黒い紋様が濃く浮かんでいる。 「公爵様、無理をなさらないでください。あなたの体が……」 アルフレッドは弱々しく笑った。 「大丈夫だ。君を守れたなら、それで十分だ」 リリアは胸が締め付けられる思いだった。彼は自分の身を犠牲にしてまで、彼女を救おうとしたのだ。 「ありがとうございます。あなたがいてくれたから、私は諦めずに戦えました」 アルフレッドはリリアの手を握り返し、優しい目で彼女を見つめた。 「君がいてくれたから、私も強くなれた。これからも、共に歩んでいこう」 リリアはその言葉に深く頷き、彼の手を握り返した。二人の間には、言葉にできない信頼が生まれていた。 やがて、アルフレッドは気を失っている使者を縛り上げ、リリアと共に城へと戻った。執務室で、リリアは使者から奪った書類を広げた。そこには、教会の枢機卿クラウディアの署名と、呪いの進行状況を記した報告書があった。 「これで、証拠は揃いました。クラウディア枢機卿が黒幕です」 リリアは書類をアルフレッドに見せた。アルフレッドはそれをじっと見つめ、重い口を開いた。 「……まさか、教会がここまでしていたとは。だが、これで私たちの疑いは確信に変わった」 リリアは頷き、アルフレッドの手を握った。 「これからが本番です。私たちは、この陰謀を暴くために戦いましょう」 アルフレッドはリリアの手を握り返し、強い決意を込めて言った。 「ああ、共に」 その時、リリアはアルフレッドの腕の紋様が、ほんの少し薄くなっていることに気づいた。彼女は驚きつつも、その変化を胸に刻んだ。 「公爵様、もしかすると、私たちの絆が呪いを和らげているのかもしれません」 アルフレッドは自分の腕を見つめ、微かに目を見開いた。 「……そうかもしれないな」 二人は顔を見合わせ、微笑み合った。この出会いが、運命を変えようとしている。 捕縛した使者は、尋問に対して沈黙を守っていた。しかし、リリアがクラウディア枢機卿の名前を出すと、使者の表情が一瞬揺らいだ。リリアはその変化を見逃さず、さらに追及を続けた。 捕縛した使者から、クラウディア枢機卿が黒幕であることを聞き出す。
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