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📖 【追放された聖女、隣国の公爵に買われる ~穢れを祓う力で、幸せな結婚生活を掴みます~】

契約と試練・新たな計画

1.6K words

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翌朝、リリアーナが目を覚ますと、エリアスはすでに書斎で地図を広げていた。彼女が近づくと、彼は顔を上げ、深刻な表情で言った。 「リリアーナ、領地の東の境界で、また異変が起きた。今度は、村人が行方不明になったらしい」 リリアーナは、その言葉に凍りついた。昨夜、彼が戻ってきたときは、まだ瘴気の話だけだったのに、一夜のうちに事態は悪化している。 「行方不明? まさか、呪いの影響ですか?」 「ああ。村人が突然姿を消した。周囲には、強い瘴気の痕跡が残っている」 エリアスは地図上の一点を指さした。そこには、古い祠の印があった。 「この祠は、昔から何かが祀られていると伝えられている。もしかすると、教会の封印が関係しているかもしれない」 リリアーナは、自分の力が弱まっている原因がそこにあると直感した。 「公爵閣下、私も調査に同行させてください。私の力なら、瘴気の発生源を特定できるかもしれません」 エリアスは、一瞬躊躇したが、彼女の決意を見て、頷いた。 「分かった。だが、無理はするな。もし異変を感じたら、すぐに引き返すんだ」 こうして、二人は祠へ向かうことになった。 馬車で東の境界へ向かう間も、リリアーナは窓の外の景色をじっと見つめていた。緑豊かな領地が、少しずつ荒れ果てていく。瘴気の影響だろうか、草木が枯れ、動物の姿も見えない。 「ここまでひどいとは……」 エリアスは、彼女のつぶやきに応えるように、静かに言った。 「この異変は、ここ数日で急速に広がっている。何かが、封印を破ろうとしているのかもしれない」 やがて、馬車は祠の近くで止まった。祠は古びた石造りで、周囲には不気味な気配が漂っている。リリアーナが祠に近づくと、全身に鳥肌が立った。 「この気配……間違いないわ。強力な呪いが、ここに封じられている」 彼女は、聖女の力で祠を調べようとした。しかし、手をかざした瞬間、見えない壁に弾かれてしまう。 「何て強い結界なの……私の力では、突破できない」 エリアスは、彼女の様子を見て、眉をひそめた。 「無理をするな。結界を解く方法を探そう」 「でも、この結界の向こうに、行方不明の村人がいるかもしれないんです。それに、この結界は、教会の封印と関係している気がします」 リリアーナは、結界に手を触れようとした。エリアスは、彼女の手を掴んで止めた。 「危険だ。お前の力が弱っているのは、この結界のせいかもしれない。それに、ここで無理に力を解放すれば、また倒れることになる」 「でも、私がやらなければ、誰がやるんですか? 私は、聖女です。民を守るのが、私の役目です」 リリアーナの声には、強い決意が込められていた。エリアスは、彼女の目をじっと見つめた。 「……分かった。だが、俺も一緒に行く。もしものときは、俺が守る」 二人は、結界の隙間を探しながら、祠の周囲を調べ始めた。すると、祠の裏手に、小さな裂け目があるのを見つけた。 「ここから入れそうだ」 エリアスが先に進もうとしたが、リリアーナは彼の腕を掴んで止めた。 「待ってください。私が先に行きます。この結界は、聖女の力に反応しているようです。私が先に進めば、道が開けるかもしれません」 リリアーナは、裂け目に手をかざした。すると、結界がわずかに揺らぎ、彼女の手が通り抜けた。 「やはり、私の力が鍵のようです」 彼女は、慎重に裂け目をくぐり、祠の中へと入っていった。エリアスも、その後ろに続く。 祠の中は、薄暗く、空気が澱んでいた。奥には、祭壇があり、その上に古びた箱が置かれている。リリアーナが近づくと、箱から強い瘴気が漂ってきた。 「この箱の中に、呪いの源がある」 彼女が箱に手を伸ばそうとしたとき、突然、箱が光り出した。そして、リリアーナの体から、力が吸い取られていく感覚がした。 「うっ……」 リリアーナは、膝をついた。エリアスが、すぐに彼女を支えた。 「リリアーナ!」 「この箱……私の力を吸い取ろうとしている……」 エリアスは、箱を睨みつけた。そして、彼女を守るように、前に立ちはだかった。 エリアスは、リリアーナを背後に庇いながら、箱を睨みつけた。 「リリアーナ、下がっていろ。この箱は、お前の力を狙っている」 「でも、公爵閣下……」 「いいから、下がっていろ!」 エリアスの声には、強い怒りが込められていた。彼は、箱に手を伸ばし、掴み上げた。すると、箱は激しく反応し、瘴気が吹き出した。 「くっ……」 エリアスは、瘴気に耐えながら、箱を地面に叩きつけた。箱は砕け、中から古びた呪具が転がり出た。 リリアーナは、その呪具を見て、息を飲んだ。それは、教会の紋章が刻まれた、銀製の小さな聖杯だった。 「これは……教会のものだ」 リリアーナは、呪具を手に取ろうとした。しかし、エリアスが彼女の手を止めた。 「触るな。まだ、危険かもしれない」 「でも、これは教会の紋章が刻まれています。もしかすると、セシリアが……」 リリアーナは、呪具をじっと見つめた。その瞬間、呪具が再び光り、彼女の手に吸い付くように反応した。 「うっ!」 リリアーナの体から、力が急速に奪われていく。彼女は、倒れそうになった。 「リリアーナ!」 エリアスは、即座に呪具を奪い取り、遠くへ投げ捨てた。呪具は地面に落ち、光を失った。 「大丈夫か?」 エリアスは、リリアーナを抱きしめるように支えた。彼女は、彼の胸に顔を埋め、震えていた。 「あ、ありがとうございます……公爵閣下」 「もう、無茶はするな。お前の力は、まだ回復していないんだ」 エリアスの声は、優しかった。リリアーナは、彼の温もりを感じながら、ようやく安心した。 「この呪具が、教会のものだということは、セシリアが関与している証拠になるかもしれません」 「ああ。だが、今はそれどころじゃない。まずは、お前を安全な場所に連れて帰る」 エリアスは、リリアーナを抱き上げた。彼女は、彼の胸にしがみついた。 「すみません……ご迷惑をおかけしました」 「気にするな。お前は、俺の大切な妻だ」 その言葉に、リリアーナの心臓は高鳴った。彼の腕の中は、とても温かくて、安心できた。 祠を出ると、外の空気が新鮮に感じられた。エリアスは、リリアーナを馬車まで運び、そっと座らせた。 「少し休んでいろ。俺が、呪具を調べる」 「はい……」 リリアーナは、馬車の中で横になった。彼の気遣いが、嬉しかった。 (公爵閣下は、私を守ってくれる。それだけで、私は幸せだ) 彼女は、目を閉じた。そして、彼の温もりを思い出しながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。 馬車が公爵邸に戻る頃には、リリアーナの体調も少し回復していた。エリアスは、彼女を部屋に送り届けると、呪具を調べるために書斎へ向かった。 リリアーナは、ベッドに横たわりながら、今日の出来事を思い返していた。あの呪具は、確かに教会のものだった。そして、セシリアの影がちらつく。 (セシリアは、なぜこんなことをするの? 私を追放しただけでは、満足できないの?) 彼女は、ため息をついた。すると、突然、部屋のドアがノックされた。 「リリアーナ、入ってもいいか?」 エリアスの声だった。リリアーナは、体を起こし、返事をした。 「はい、どうぞ」 ドアが開き、エリアスが入ってきた。彼の手には、あの呪具があった。 リリアーナが呪具を手に取った瞬間、呪具が反応し、彼女の力を吸い取ろうとする。エリアスが即座に呪具を奪い取り、リリアーナを守る。
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