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📖 【追放された聖女、隣国の公爵に買われる ~穢れを祓う力で、幸せな結婚生活を掴みます~】

契約と試練・代償

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東の村の井戸の前で、リリアーナは封印を解いた直後、力の消耗が激しく、立っているのもやっとだった。エリアスが彼女を支え、疲労を心配する。 「リリアーナ、無理をするな。今は休むべきだ」 エリアスの腕が、彼女の腰を支える。その温もりが、かえって自分の力が空っぽになったことを実感させる。 「はい……でも、まだ調査が……」 リリアーナは、自分の足に力が入らないことに焦りを感じた。せっかく井戸の呪いを解いたのに、このままでは公爵の役に立てない。 「調査は明日からでいい。今日はもう戻ろう」 エリアスは、彼女を馬車まで導いた。村人たちが、感謝の言葉をかけながら見送る。リリアーナは、それに応えようとしたが、頭がぼんやりとして、うまく言葉が出てこない。 馬車に乗り込むと、エリアスは彼女を座らせ、自分の肩に寄りかからせた。 「すみません、公爵閣下。お力になれず」 「十分すぎるほど力を発揮してくれた。今は休むことが君の務めだ」 その言葉に、リリアーナは安心して、目を閉じた。 公爵邸に戻ると、リリアーナは自室で横になったが、なかなか眠れなかった。力の消耗が激しく、体が重い。彼女は、自分の力の不安定さを痛感していた。 (このままでは、公爵閣下のお役に立てない。もっと強くならなければ) リリアーナは、ベッドの上で拳を握った。しかし、体はいうことを聞かず、少し動くだけで息が切れる。 そこに、エリアスが部屋を訪ねてきた。 「具合はどうだ?」 「はい、少し休めば回復します。ですが、明日からの調査に備えて、準備を整えたいのですが」 リリアーナは、起き上がろうとした。しかし、エリアスが制した。 「無理をするな。調査は、君の体調が戻ってからでいい」 「でも、領地の呪いを早く解かないと、民たちが苦しみ続けます」 リリアーナは、焦りをにじませた。東の村の井戸の呪いは解けたが、まだ領地のどこかに呪いが残っているかもしれない。 「君の力が不安定なまま調査を進めれば、また倒れることになる。それでは、かえって領民を危険にさらすことになるだろう」 エリアスの言葉は、もっともだった。リリアーナは、唇を噛んだ。 「……おっしゃる通りです。ですが、私は、あなたのお役に立ちたいのです」 「君は、もう十分に役に立っている。無理をして倒れることのほうが、私にとっては辛い」 エリアスは、リリアーナの手を握った。その手は、彼女の手よりも大きく、温かかった。 「私は、君に長くいてほしい。だから、休んでほしい」 その言葉に、リリアーナの心臓が高鳴った。彼は、自分のことを大切に思ってくれているのだ。 「……はい。では、明日から調査を始めましょう。今日は、休ませていただきます」 リリアーナは、素直に頷いた。エリアスは、安心したように微笑んだ。 「ああ。何か必要なものがあれば、言ってくれ」 エリアスは、そう言って部屋を出て行った。リリアーナは、彼の後ろ姿を見つめながら、思った。 (私は、この方のために強くなりたい。そして、この領地を守りたい) 彼女は、目を閉じ、休息を取ることにした。 その夜、リリアーナはなかなか眠れず、窓の外の月を見つめていた。力の消耗はまだ回復せず、体は重いままだ。 (私は、本当にこの領地を守れるのだろうか) 不安が頭をよぎる。しかし、そのとき、エリアスの言葉を思い出した。 「君が強かったからだ。私は、ただ君を信じただけだ」 その言葉が、彼女の心に温かい光を灯した。 (そうだ。私は一人じゃない。公爵閣下がいてくれる) リリアーナは、そっと胸に手を当てた。彼の手の温もりを思い出す。 (私は、あなたのために生きたい。あなたの力になりたい) その想いが、彼女の心を強くした。 すると、部屋のドアがノックされた。 「リリアーナ、起きているか?」 エリアスの声だ。リリアーナは、慌てて起き上がり、返事をした。 「はい、起きています」 「少し話がある。入ってもいいか?」 「はい」 エリアスが部屋に入ってきた。彼は、リリアーナのベッドのそばに立ち、優しい目で彼女を見つめた。 「体調はどうだ?」 「だいぶ良くなりました。明日には、調査を始められると思います」 リリアーナは、そう言ったが、エリアスは首を振った。 「いや、もう少し休め。調査は、明後日からでいい」 「でも……」 「君の体が大事だ。それに、明日は、私も領地の視察がある。君を連れて行くわけにはいかない」 エリアスは、そう言って微笑んだ。リリアーナは、その優しさに胸が熱くなった。 「……わかりました。では、明後日からお願いします」 「ああ。その代わり、今夜はゆっくり休め」 エリアスは、そう言って部屋を出て行こうとした。しかし、リリアーナは、彼を呼び止めた。 「公爵閣下」 「どうした?」 「……ありがとうございます。あなたに出会えて、私は幸せです」 リリアーナの言葉に、エリアスは少し驚いたように目を見開いた。しかし、すぐに優しい笑みを浮かべた。 「私もだ。君に出会えて、よかった」 その言葉に、リリアーナの心は温かく満たされた。彼女は、エリアスへの想いが、確かに恋心へと変わっていくのを感じた。 エリアスが部屋を出て行った後、リリアーナは、再びベッドに横たわった。今度は、心が軽くなり、すぐに眠りにつくことができた。 翌朝、リリアーナはすっかり回復し、朝食をとっていた。エリアスは、領地の視察に出かけており、屋敷には彼女と使用人たちだけがいた。 すると、一人の騎士が慌てて屋敷に駆け込んできた。 その夜、リリアーナが休んでいる間に、エリアスのもとに領地の境界で異変が起きたという報告が届く。
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