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📖 【追放された聖女、隣国の公爵に買われる ~穢れを祓う力で、幸せな結婚生活を掴みます~】

追放と出会い・最初の手がかり

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公爵から東の村の地図を受け取ったリリアーナは、翌朝、公爵の案内で東の村へ向かう。馬車の窓から見える景色は、荒れ果てた土地が続いていた。枯れた木々、乾いた大地、そしてところどころに漂う黒い靄。リリアーナはその光景に、胸が締め付けられる思いだった。 「公爵閣下、この村はいつからこのような状態に?」 リリアーナは隣に座るエリアスに尋ねた。エリアスは窓の外を見つめたまま、低い声で答えた。 「三か月前からだ。最初は作物が枯れ始め、次に家畜が病に倒れた。そして今では、村人たちも次々と体調を崩している」 リリアーナは唇を噛んだ。これはただの不作ではない。明確な穢れの気配が、空気に満ちている。 「私の力で、必ず何とかしてみせます」 リリアーナは強く言った。エリアスは彼女を一瞥し、微かに頷いた。 「期待している」 その言葉に、リリアーナは背筋を伸ばした。彼に認められるためにも、この村を救うためにも、成功させなければならない。 馬車が村の入り口に着くと、リリアーナは早速村人たちから話を聞き始めた。村の中心部に古い井戸があり、そこから異臭が漂っているという。リリアーナは直感で、その井戸が穢れの発生源だと確信した。 「井戸を見せてください」 リリアーナは村人の案内で井戸の前に立った。井戸の周りには、黒い靄が立ち込めている。リリアーナは地面に手をかざし、集中した。すると、手のひらから淡い光が溢れ、靄が少しずつ晴れていく。 「この穢れ、普通のものではない……何かが混ざっている」 リリアーナは呟いた。だが、彼女の力では、穢れの一部しか祓えない。井戸の底から、さらに強い穢れが湧き出ているのだ。 「くっ……」 リリアーナは歯を食いしばった。額に汗が滲む。だが、力が足りない。浄化の光がかすかに揺らぎ、やがて消えてしまった。 「すみません……力が及びませんでした」 リリアーナは悔しさに唇を噛んだ。村人たちは、期待を裏切られたように、失望の表情を浮かべた。 「聖女様でも、駄目だったのか……」 「もう、この村は終わりかもしれない……」 村人たちのざわめきが聞こえる。リリアーナは拳を握りしめた。だが、彼女は諦めなかった。井戸の縁に手をかけると、中を覗き込んだ。 「この井戸の底に、何かある……」 リリアーナは井戸の中に降りることを決意した。エリアスが止めようとしたが、彼女は首を振った。 「この穢れの根源を断たなければ、村は救えません」 リリアーナはロープを伝って、井戸の底へと降りていった。底には、古びた石が積まれており、その中央に、奇妙な紋様が刻まれた石板があった。石板には、教会の紋章が彫られている。 「これは……教会の封印?」 リリアーナは驚きの声を上げた。封印は、何か恐ろしいものを閉じ込めるために施されたものだ。だが、その封印が、今は逆に穢れを生み出しているように感じられた。 リリアーナは石板に手を触れた。瞬間、激しい痛みが走り、彼女は手を引っ込めた。封印は、彼女の浄化の力を拒絶している。 「この封印を解くには、もっと強い力が必要だ……」 リリアーナは唇を噛んだ。だが、彼女は諦めなかった。井戸の底を探ると、石板の一部が欠けていることに気づいた。その欠片を手に取り、ポケットにしまった。 「これは、教会の関与を示す証拠になるかもしれない」 リリアーナは井戸から上がると、エリアスに欠片を見せた。エリアスはその欠片を手に取り、目を細めた。 「教会の紋章か……なぜ、教会がこの村に封印を?」 エリアスの声には、疑念が込められていた。リリアーナは、彼の横顔を見つめた。この件は、単なる穢れの問題ではない。教会の陰謀が絡んでいるかもしれない。 リリアーナは、井戸の底から見つけた封印の欠片を、エリアスに差し出した。エリアスはそれを受け取り、まじまじと観察した。 「これは、教会の封印の一部だな。だが、なぜこのような場所に?」 エリアスは呟いた。リリアーナは、自分の推測を述べた。 「この封印は、何かを封じるために施されたものだと思います。ですが、その封印が弱まったことで、穢れが漏れ出しているのかもしれません」 エリアスはリリアーナを見つめた。その目には、先ほどまでの冷徹さはなかった。 「お前の観察力には感心する。単に力で祓うだけでなく、原因を突き止めようとする姿勢は、評価に値する」 リリアーナは、その言葉に少し驚いた。エリアスは、彼女を単なる道具として見ているわけではないようだ。 「ありがとうございます、公爵閣下」 リリアーナは微笑んだ。エリアスは、その笑顔に一瞬目を奪われたが、すぐに表情を戻した。 「この欠片は、教会の関与を示す重要な証拠だ。調査を進める必要がある」 エリアスは欠片を懐にしまい、リリアーナを見た。 「お前の力が完全でなかったのは、この封印のせいかもしれない。だが、お前の浄化の力は確かに効いていた。村人たちも、少しは希望を持てるだろう」 リリアーナは、エリアスの言葉に胸が熱くなった。彼は、自分の努力を認めてくれたのだ。 「これからも、お前の力を借りるかもしれない。だが、無理はするな」 エリアスはそう言って、リリアーナの肩に手を置いた。リリアーナは、その温かさに、少しだけ安心した。 「はい、公爵閣下」 リリアーナは頷いた。彼との距離が、少し縮まった気がした。 エリアスは封印の欠片を手に取り、その紋様をじっくりと観察した。リリアーナも、その隣で欠片を見つめる。二人の間には、沈黙が流れていた。 公爵は封印の欠片を手に取り、「教会がなぜこの地に封印を?」と疑問を抱き、調査を命じる。
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