Home Latest Popular Genres Analysis About
📚 My Bookshelf ⏳ Reading History Log In Sign Up
📖 追放された聖女は隣国で公爵様と契約結婚して幸せになります

追放と契約・選択の代価

610 words

← Previous Chapter📑 ContentsNext Chapter →
レオンハルトの鋭い視線に、リリアーナは心臓が凍りつく思いだった。彼は部屋に足を踏み入れ、机の上に広げられた地図と護符を一瞥する。 「何を隠している」 その問いかけは、有無を言わさぬ響きを持っていた。リリアーナは誤魔化そうと口を開きかけたが、彼の瞳に宿る光を見て、言葉を飲み込んだ。 「……試練の場所を調べていました」 彼女が正直に告げると、レオンハルトの眉が微かに動いた。 「聖女の試練か。なぜ、私に相談しない」 「公爵様にご迷惑をかけたくなかったのです。あなたは私を守ろうとしてくださる。でも、私はあなたの呪いを解くために、力を取り戻さなければならない」 リリアーナは拳を握りしめ、まっすぐに彼を見上げた。 レオンハルトは深いため息をつき、窓辺に歩み寄った。月明かりが彼の横顔を照らし出す。 「お前が危険を冒すことを、私は許すつもりはない」 「ですが、このままでは公爵様の呪いは解けません。私は聖女としての力を取り戻す必要があるのです」 「それでも、だ。お前が傷つく姿を見たくない」 彼の声には、珍しく感情が滲んでいた。リリアーナはその言葉に胸が締め付けられる。 「公爵様、私は決めました。たとえ危険でも、あなたを救いたい。それが私の選択です」 リリアーナは一歩前に進み出た。レオンハルトは振り返り、彼女をじっと見つめる。 「お前は強い。だが、無謀は許さない」 「無謀ではありません。私は自分の意志で行くのです」 彼女の瞳に揺るぎない決意を見て、レオンハルトは何かを諦めたように目を細めた。 「……分かった。ならば、私も同行する」 リリアーナは驚きのあまり、目を見開いた。 「えっ、公爵様が?」 「お前を一人で行かせるわけにはいかない。私も責任を取る」 彼の言葉に、リリアーナの胸に温かいものが広がる。しかし、その時、屋敷の外で物音が響いた。 「何だ?」 レオンハルトが警戒して窓の外を見やる。リリアーナも護符を握りしめた。 レオンハルトはリリアーナの隣に立ち、低い声で言った。 「どうやら、我々の出発を待っていなかったようだ」 「まさか、セシリアの差し金ですか」 「恐らくな。だが、ここで怯むわけにはいかない」 彼は剣に手を置き、リリアーナを守るように前に出る。リリアーナはその背中を見つめ、決意を新たにした。 「公爵様、共に戦いましょう」 「ああ。お前の力を信じている」 その言葉に、リリアーナは心強さを感じた。彼との間に、確かな絆が芽生えた瞬間だった。 「行くぞ」 レオンハルトが扉を開けようとしたその時、玄関ホールに複数の足音が響いた。 リリアーナは緊張で息を呑む。レオンハルトは剣を抜き放ち、構えを取った。 二人が試練の地へ向かおうとした矢先、セシリアの放った第二の刺客が公爵邸を急襲する。
← Previous Chapter📑 ContentsNext Chapter →
🐦 Twitter 💬 Facebook

💬 Reader Comments

Comments are coming soon. Join the discussion about 追放された聖女は隣国で公爵様と契約結婚して幸せになります!