📖 追放された聖女は隣国で公爵様と契約結婚して幸せになります
追放と契約・逆転
レオンハルトの「お前を失いたくない」という言葉は、リリアーナの心に深く響いた。彼の真剣な眼差しに、彼女の心臓は高鳴り、顔が熱くなるのを感じた。しかし、彼女はその気持ちを押し殺し、自分に言い聞かせた。これは契約結婚に過ぎないのだと。
「公爵様、そのお言葉、本気ですか?」
リリアーナが尋ねると、レオンハルトは少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに真剣な顔に戻った。
「ああ、本気だ。お前は俺にとって、すでに大切な存在になっている」
その言葉に、リリアーナの胸はさらに締め付けられた。彼の言葉は、彼女の心に温かいものを灯したが、同時に複雑な思いも生んだ。彼女は、彼の呪いを解くために、自分の力を使いたいと強く願った。
「公爵様、私、あなたの呪いを解く方法を探したいんです。旧市街で見つけた手がかりがあるんです」
リリアーナは、古書店で見つけた先代公爵の儀式に関する断片的な記述のことを話した。レオンハルトはそれを聞き、少し考え込んだ。
「その手がかりは、公爵邸の書庫にもあるかもしれない。一緒に調べよう」
彼の提案に、リリアーナは嬉しくなった。二人は書庫へ向かった。
公爵邸の書庫は、天井まで届く本棚が並び、古い文献や魔法書が所狭しと並んでいた。リリアーナは、レオンハルトと共に、先代公爵の儀式に関する文献を探し始めた。彼女は、旧市街で見つけた断片的な記述を手掛かりに、関連する書物を探す。
「この本です。『聖女の試練』という記述があります」
リリアーナが一冊の古い本を開くと、そこには「聖女の試練」という項目があった。それを読むと、聖女が封印された力を解放するためには、試練を乗り越えなければならないと書かれていた。試練は命の危険を伴い、失敗すれば命を落とすこともあるという。
「試練……ですか」
リリアーナは、その記述を読み進めた。試練は、聖女の力の源である神殿の奥深くにある祭壇で行われ、そこで聖女は自分の力と向き合い、それを制御することを求められる。成功すれば、封印が解かれ、完全な力を取り戻すことができるが、失敗すれば、力は暴走し、命を落とす危険があるという。
「これだわ。この試練を乗り越えれば、私は完全な力を取り戻せる」
リリアーナは、その決意を固めた。しかし、レオンハルトはそれを聞くと、強い反対の意を示した。
「ダメだ。そんな危険なことをさせるわけにはいかない」
「でも、このままでは公爵様の呪いを解くことができません」
「俺の呪いのことはいい。お前の命が危険にさらされるくらいなら、呪いなどどうでもいい」
レオンハルトの言葉に、リリアーナは反論した。
「私は、公爵様を救いたいんです。あなたが苦しんでいるのを見ているのは、辛いんです」
「リリアーナ、お前は自分の命を軽んじすぎだ。もしお前に何かあったら、俺は……」
レオンハルトは言いかけて、言葉を止めた。彼の表情は苦しげで、リリアーナは彼の本心を感じ取った。
「公爵様、私は決めました。試練に挑みます」
リリアーナの強い意志に、レオンハルトはため息をついた。
「お前は頑固だな」
「ええ、よく言われます」
リリアーナが微笑むと、レオンハルトは少しだけ口元を緩めた。しかし、その直後、彼の表情は再び真剣になった。
「だが、試練に行くなら、俺も同行する。一人で行かせるわけにはいかない」
「でも、公爵様はお忙しいのでは?」
「お前の安全のためだ。それに、俺も呪いについて知りたいことがある」
レオンハルトはそう言って、リリアーナの手を取った。彼の手は温かく、リリアーナはその温もりに心が安らぐのを感じた。
二人が試練の準備を進めようとしたその時、執事が緊急の知らせを持ってきた。
「公爵様、大変です。教会の新聖女セシリア様が、王族に接触し、リリアーナ様を国家反逆罪で告発する準備を進めているとの情報が入りました」
リリアーナは、その言葉に衝撃を受けた。セシリアは、リリアーナを追放した張本人であり、今度は自分を陥れようとしているのだ。
「国家反逆罪……そんな大罪を着せようとしているの?」
リリアーナの声は震えていた。レオンハルトは、彼女の肩を抱き寄せた。
「大丈夫だ。俺が守る」
彼の言葉に、リリアーナは少し安心した。しかし、彼女は思った。このままでは、レオンハルトに迷惑をかけてしまう。自分が彼のそばにいることで、彼に危険が及ぶかもしれない。
「公爵様、私がここにいることで、あなたに迷惑をかけてしまいます。私、国を離れたほうがいいのでは……」
リリアーナがそう言うと、レオンハルトは彼女の肩を強く掴んだ。
「そんなことを言うな。お前は俺の妻だ。誰が何と言おうと、俺が守る」
彼の強い眼差しに、リリアーナは胸が熱くなった。彼は、本当に自分のことを大切に思ってくれているのだ。
「でも、セシリアが王族に告発すれば、公爵様にも影響が及ぶかもしれません」
「それでも構わない。お前を守るためなら、何だってする」
レオンハルトの言葉に、リリアーナは涙を浮かべた。彼の優しさが、心に染みる。
「ありがとうございます、公爵様」
リリアーナは、彼の胸に顔を埋めた。彼の心臓の鼓動が聞こえ、彼が生きていることを実感する。
「さあ、まずはこの危機を乗り越える方法を考えよう」
レオンハルトは、リリアーナを離し、執事に指示を出した。
「セシリアの動きを探れ。そして、王族に取り次ぎを頼む」
執事は頷き、部屋を出て行った。リリアーナは、レオンハルトの隣に立ち、彼の決意を感じた。
リリアーナは、セシリアの告発を防ぐためには、早急に聖女の力を取り戻す必要があると感じた。試練に挑む決意を固め、レオンハルトに伝えようとした。しかし、彼はそれを察して、強い口調で言い放った。
レオンハルトが「試練に行くな」と強く言い放つ。






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