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📖 追放された聖女は隣国で公爵様と契約結婚して幸せになります

追放と契約・新たな計画

1.3K words

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昨夜の出来事が、リリアーナの頭から離れなかった。レオンハルトがドアノブに触れた瞬間、金属が腐食していく様子。あれは、ただの偶然ではない。彼は何かを隠している。そして、その呪いは、彼の領地に蔓延る呪いと無関係ではないはずだ。 朝食の席で、リリアーナはレオンハルトに切り出した。 「公爵様、お願いがあります」 レオンハルトは、新聞から顔も上げずに答えた。 「何だ」 「公爵様の呪いについて、調べさせていただけませんか」 その言葉に、レオンハルトの手が止まった。彼は、冷たい目でリリアーナを見据えた。 「余計なことをするな」 「でも、このままでは公爵様の領地は……」 「黙れ」 レオンハルトの声が、部屋に響いた。リリアーナは、唇を噛みしめた。だが、引き下がるわけにはいかない。 「私は、ただの道具ではありません。自分の意志で、ここにいるのです」 リリアーナの言葉に、レオンハルトはわずかに眉を動かした。 レオンハルトは、リリアーナの申し出を拒否した。 「書庫に入るなど、お前には必要ない。お前の役目は、呪いを浄化することだ。それ以外のことは、考えるな」 「ですが、呪いを解く手がかりが、書庫にあるかもしれません」 「書庫には、公爵家の機密が多くある。お前のような者に、自由に閲覧させるわけにはいかない」 リリアーナは、食い下がった。 「では、条件を付けていただいて構いません。例えば、私が調べた内容を、必ず公爵様に報告する、という条件ではどうですか?」 レオンハルトは、しばらく沈黙した。彼は、リリアーナの目をじっと見つめた。その瞳は、真剣そのものだった。 「……ふっ」 レオンハルトは、小さく笑った。 「面白い。では、条件を飲もう。ただし、書庫に入るのは、私が許可した時間のみ。そして、調べたことは、すべて私に報告しろ。もし、一冊でも無断で持ち出したら、契約は破棄する」 「承知しました」 リリアーナは、深く頭を下げた。 「ただし、なぜそこまでして呪いを調べたいのだ?」 レオンハルトの問いに、リリアーナは少し迷ったが、正直に答えた。 「私は、もう聖女ではありません。ですが、人を助ける力が、まだあるならば、使いたいのです。そして、公爵様の呪いが、私の力で解けるかもしれないのなら、試してみたい」 「……お前は、変わっているな」 レオンハルトは、そう言うと、立ち上がった。 「書庫は、二階の奥だ。鍵は、執事に渡してある。好きに使え」 そう言って、彼は部屋を出て行った。リリアーナは、ほっと息をついた。 その日の午後、リリアーナは書庫を訪れた。書庫は、公爵邸の二階の奥にあった。重厚な木の扉を開けると、古い紙の匂いがした。天井まで届く本棚には、びっしりと本が並んでいる。 リリアーナは、まず呪いに関する文献を探した。だが、なかなか見つからない。彼女は、本棚の間を歩き回り、手当たり次第に本を手に取った。 しばらくすると、一冊の古い書物が目に留まった。それは、他の本とは違い、革装で、金の装飾が施されていた。リリアーナは、それを手に取り、ページをめくった。 そこには、先代公爵の名前が記されていた。 リリアーナは、その書物に夢中になった。先代公爵が、何らかの儀式に関わっていたことは、レオンハルトから聞いていた。だが、その詳細は、謎に包まれていた。 書物には、禁忌の儀式についての記述があった。それは、国を呪いから救うためのものだったが、代償として、儀式を行った者に呪いがかかるというものだった。 リリアーナは、その記述を読んで、確信した。レオンハルトの呪いは、先代公爵が行った儀式の代償なのだ。 「これだ……」 リリアーナは、その書物を抱え、書庫を出た。彼女は、レオンハルトの執務室へ向かった。 ノックをすると、中から「入れ」という声が聞こえた。リリアーナが入ると、レオンハルトは書類に目を通していた。 「何か見つけたか」 「はい。これです」 リリアーナは、書物を机の上に置いた。レオンハルトは、それを手に取り、ページをめくった。 「……これは、父の日記か」 「はい。そこに、禁忌の儀式についての記述があります」 レオンハルトは、黙って読み進めた。その表情は、次第に曇っていった。 「……なるほど。父は、この儀式を行ったのか」 「はい。そして、その代償として、公爵様に呪いが……」 「もういい」 レオンハルトは、書物を閉じた。 「これは、私の問題だ。お前が関わることではない」 「ですが、私は……」 「お前は、ただの道具だ。忘れるな」 その言葉に、リリアーナは胸が痛んだ。だが、彼の目は、どこか悲しげだった。 「……わかりました」 リリアーナは、部屋を出ようとした。その時、レオンハルトが声をかけた。 「……リリアーナ」 リリアーナが振り返ると、レオンハルトは少し言いにくそうに言った。 「……ありがとう」 その言葉は、小さく、消え入りそうなものだった。だが、確かにリリアーナの耳に届いた。 リリアーナは、微笑んだ。 「いいえ」 そう言って、彼女は部屋を出た。 その夜、リリアーナは、書庫で見つけた書物を読み返していた。そこには、儀式の詳細が記されていた。だが、重要な部分が欠けている。儀式を解く方法についての記述が、途中で途切れていた。 「ここが、切り取られている……」 リリアーナは、ページの端を見た。確かに、何かが切り取られた跡があった。 「誰かが、わざと隠している?」 リリアーナは、考え込んだ。この書物は、先代公爵のものだ。ならば、切り取ったのは、先代公爵自身か、それとも……。 彼女は、書物を閉じ、窓の外を見た。月が、雲に隠れていた。 「まだ、謎が多い」 リリアーナは、ため息をついた。だが、確実に一歩前進した。レオンハルトの呪いの原因が、先代公爵の儀式にあることがわかったのだ。 「次は、解呪の方法を見つけなければ」 リリアーナは、決意を新たにした。 翌日、リリアーナは再び書庫を訪れた。彼女は、先代公爵の日記を探すことにした。日記には、儀式の詳細が記されているかもしれない。 書庫の奥の棚に、古い日記が並んでいるのを見つけた。リリアーナは、それを手に取り、ページをめくった。 書庫でリリアーナは、先代公爵が関わった禁忌の儀式についての断片的な記述を見つける。
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