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📖 捨てられた聖女は冷徹公爵の契約婚約者となり、偽りの恋で王国を救う

追放と契約・選択の代価

913 words

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セシリアの魔道具を目撃したリリアは、その力の源がかつて自分から奪われた聖女の力の一部であることに気づいた。あの光は、確かに私の力だ。彼女はユリウスに小声で伝えた。 「あの魔道具、私の力が込められているわ」 ユリウスは眉をひそめ、物陰からセシリアの部屋を覗き込んだ。 「確かに、聖女の力に似ているが、歪んでいるな」 リリアは唇を噛みしめた。セシリアはあの魔道具を使って、自分の力を偽装し、周囲を欺いているのだ。この機を逃せば、家族を救う手がかりを失うかもしれない。 「ユリウス様、あの魔道具を破壊すれば、私の力が戻るかもしれない」 彼は驚いた顔をしたが、すぐに真剣な表情に戻った。 「無茶だ。あれは危険だぞ」 しかし、リリアの決意は固かった。彼女は変装魔法を解き、本来の姿に戻ると、ユリウスの制止を振り切って、セシリアの部屋へと足を踏み入れた。 「セシリア!」 リリアの声に、セシリアは振り返った。魔道具を掲げたまま、驚愕の表情を浮かべる。 「リリア……なぜここに?」 「その魔道具、私の力で動いているわね。返してもらうわ」 リリアは古代魔法の知識を総動員し、魔道具の構造を解析しようとした。しかし、セシリアは嘲笑を浮かべ、魔道具の光をリリアに向けた。 「ふん、無駄なことを。この力はもう私のものよ」 光がリリアを襲い、彼女は後ずさりした。体が痺れ、視界が揺らぐ。変装魔法で消耗していた体力が、さらに削られていく。 「くっ……」 リリアは膝をつきそうになったが、必死に耐えた。セシリアは勝ち誇ったように笑う。 「聖女の力も、もう終わりね。あなたはただの落ちぶれた令嬢よ」 しかし、リリアは諦めなかった。彼女は最後の力を振り絞り、魔道具に手を伸ばした。指先が触れた瞬間、激しい痛みが走る。だが、彼女は手を離さなかった。 「古代魔法・封印の儀!」 リリアの体から光が溢れ、魔道具に古代のルーンが浮かび上がる。セシリアは驚き、魔道具を振り払おうとしたが、光が彼女を包み込んだ。 「な、何をしているの!」 「この魔道具を封印する。あなたの偽りの力も、これで終わりよ」 リリアの声は震えていたが、決意に満ちていた。魔道具が激しく光り、部屋全体が眩しい光に包まれた。 光が収まると、セシリアは気絶して床に倒れていた。魔道具は封印され、輝きを失っている。リリアはその場に崩れ落ちた。 「はあ……はあ……」 息を切らすリリアの耳に、ユリウスの足音が近づいてきた。彼はリリアの隣に跪き、優しく肩を支えた。 「無事か?」 「ええ、なんとか」 リリアは彼の顔を見上げ、微笑んだ。しかし、その目には疲労の色が濃く滲んでいた。 「本当に無茶をする」 ユリウスはため息をつきながらも、その口元には微かな笑みが浮かんでいた。彼はリリアの手を握り、立ち上がるのを助けた。 「あの魔道具、どうする?」 リリアは封印された魔道具を見つめ、静かに言った。 「持ち帰って、証拠にするわ。これでセシリアの不正を暴ける」 ユリウスは頷き、魔道具を回収した。そして、リリアの方を向き、真剣な表情で言った。 「リリア、君は自分の力を犠牲にする覚悟があったのか?」 「ええ、それで家族を救えるなら」 リリアの答えに、ユリウスは何かを感じ取ったようだった。彼は彼女の手を強く握り、こう言った。 「これからは、一人で抱え込むな。私も力になる」 その言葉に、リリアの胸は熱くなった。彼の存在が、こんなにも心強いものだとは思わなかった。 「ありがとう、ユリウス様」 彼女の感謝の言葉に、ユリウスは優しく微笑んだ。 その時、リリアの体に異変が起こった。封印の儀の代償か、彼女の体から再び光が溢れ出した。 光が収まると、セシリアは気絶して床に倒れ、魔道具は封印されて輝きを失っている。
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