📖 追放された鑑定士、最強の【廃品回収】スキルでダンジョン都市を再建する
追放と再出発・選択の代価
「ガルドが最深部で何かを企んでいるだと?」
リョウタは情報屋の少年から聞いた話を反芻しながら、廃教会の祭壇の前に立っていた。改修を終えたばかりの拠点は、彼とエリナの手で要塞のような堅牢さを備えている。だが、その安心感も束の間、ガルドの禁呪の儀式という脅威が目前に迫っていた。
「禁呪の儀式……あの男ならやりかねない」
リョウタは拳を握りしめた。彼のMPはまだ回復しきっておらず、立っているのもやっとだ。それでも、ガルドの野望を止めるためには、一刻の猶予もない。
エリナが心配そうに近づき、彼の腕を支えた。
「リョウタさん、無理をしないでください。まだ体が本調子ではないでしょう?」
「大丈夫だ。それよりも、ガルドを止めなければ」
リョウタはエリナの手をそっと外し、廃教会の入口へと歩き出した。外は夜の闇に包まれ、遠くからダンジョンの地響きが聞こえてくる。彼は決意を固め、振り返ってエリナを見つめた。
「エリナさん、ここで待っていてくれ」
エリナは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに悲しげにうつむいた。
「一人で行くつもりですか?」
エリナの声は震えていた。リョウタはその問いに、静かに頷いた。
「ああ。お前を危険に晒すわけにはいかない」
「でも、私も戦えます! 設計士としての知識だって、役に立つはずです」
エリナは食い下がるが、リョウタは首を振った。彼の目には、強い決意が宿っている。
「ガルドが相手だ。最悪の事態も考えられる。お前が無事でいてくれれば、それでいい」
リョウタはそう言うと、腰に差した短剣を確認した。彼の手はまだ微かに震えている。MPの消耗が激しく、まともに戦えるかもわからない。それでも、彼は行かねばならなかった。
エリナは唇を噛みしめ、何か言いたげだったが、やがて小さくため息をついた。
「……わかりました。でも、約束してください。必ず戻ってくると」
リョウタはその言葉に、少しだけ口元を緩めた。
「ああ、必ず戻る。お前の設計図、預かっておくからな」
彼はエリナから設計図を受け取り、胸の内側にしまった。それは、彼女の夢と希望が詰まった大切なものだ。リョウタはその重みを感じながら、廃教会を後にした。
ダンジョンの入口は、廃教会からほど近い場所にある。リョウタは暗い路地を抜け、かつて冒険者たちで賑わっていた広場へと足を踏み入れた。そこには、今はもう誰もいない。ただ、風の音だけが寂しく響いていた。
「ガルド……お前の思い通りにはさせない」
リョウタはダンジョンの入口に立つと、深く息を吸い込んだ。中は暗く、不気味な気配が漂っている。彼は一歩を踏み出そうとした、その時だった。
突然、ダンジョンの入口から巨大な影が現れた。それは、ガルドが放った強力な魔物だった。
魔物はリョウタの前に立ちはだかり、鋭い牙をむき出しにして唸っている。リョウタは短剣を抜き、構えた。だが、彼の体はまだ重く、まともに動けない。
「くそ……こんなところで足止めされるわけには……」
リョウタは歯を食いしばり、魔物と対峙した。その時、彼の胸の内側でエリナの設計図が温かく感じられた。彼女の想いが、彼に力を与えているようだった。
「エリナ……必ず戻る」
リョウタは魔物に向かって突進した。彼の動きは鈍いが、それでも一撃を加えようと必死だった。魔物は巨体を揺らし、リョウタを押し潰そうとする。彼は間一髪で回避し、反撃の機会をうかがった。
その時、遠くからエリナの声が聞こえた気がした。
「リョウタさん!」
彼は振り返らず、ただ前を見据えた。彼女の期待に応えるため、そしてこの街を再建するため、彼は戦い続ける。
リョウタはスキル【廃品回収】を発動し、地面に落ちていた瓦礫を手に取った。それは瞬時に鋭い刃へと変わり、彼の手に馴染んだ。
「これで……やれる!」
彼は新たな武器を手に、魔物へと立ち向かった。
リョウタは魔物との戦いに集中していたが、その背後から別の気配を感じた。振り返ると、そこにはガルドの手先と思しき影が立っていた。
リョウタがダンジョン入口で、ガルドが放った強力な魔物と遭遇する。






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