Home Latest Popular Genres Analysis About
📚 My Bookshelf ⏳ Reading History Log In Sign Up
📖 追放された鑑定士、最強の【廃品回収】スキルでダンジョン都市を再建する

追放と再出発・新たな計画

1.3K words

← Previous Chapter📑 ContentsNext Chapter →
エリナの言葉に、リョウタは一瞬戸惑いを覚えた。彼女は設計士と名乗ったが、なぜ自分に力が必要なのか。リョウタは疲労で重い体を起こし、彼女の顔を見つめた。 「あなたの力が必要です」 エリナは真剣な眼差しで繰り返した。彼女の手には、古びた設計図が握られている。リョウタはその設計図をちらりと見て、あることに気づいた。それは、かつて栄えたダンジョン都市の教会の設計図だった。 「これは……廃教会の?」 「ええ。この街の再建の第一歩として、あの教会を改修したいのです」 エリナは設計図を広げ、リョウタに説明を始めた。廃教会は街の中心にあり、かつては冒険者たちの拠点として賑わっていた。しかし、ダンジョンの異変により放棄され、今は廃墟と化している。 「あそこを再建できれば、街のシンボルを取り戻せる。そして、人々の希望になる」 エリナの言葉には力があった。リョウタは彼女の情熱に心を動かされつつも、自分の力が本当に役立つのか疑問だった。 「でも、俺のスキルは廃品を回収するだけの……地味な力ですよ」 「そんなことはありません。あなたのスキルは、廃品を価値あるものに変える力でしょう? それこそが、この廃墟だらけの街に必要なのです」 エリナは力強く言い切った。リョウタは彼女の言葉に、わずかな希望を見出した。 翌朝、リョウタはエリナと共に廃教会へ向かった。廃教会は街の中心部にあり、かつては荘厳な姿を誇っていたが、今は崩れかけ、蔦が絡まり、窓ガラスは割れ、屋根の一部は抜け落ちていた。 「ここが……廃教会か」 リョウタは内部に足を踏み入れた。床には瓦礫が散乱し、埃が舞っている。しかし、彼の【廃品回収】スキルは、それらの廃材に反応していた。 「まずは、使える廃材を選別しましょう」 エリナは設計図を広げ、改修に必要な材料をリストアップした。木材、石材、金属部品、そして魔導回路の部品。リョウタはそれらを探しながら、スキルを発動させた。 「【廃品回収】」 リョウタが手をかざすと、瓦礫の中から使えそうな木材が浮かび上がり、淡い光に包まれて、新品同様の建材に変わった。しかし、同時に強い疲労感が襲う。 「ぐっ……またか」 MPの消耗が激しい。昨日のランプ修復で体力を消耗していたこともあり、リョウタはすぐに息切れを感じた。 「大丈夫ですか?」 エリナが心配そうに声をかける。リョウタは無理に笑って応えた。 「大丈夫です。でも、連続使用は危険みたいだ」 「それなら、休みながらやりましょう」 エリナはそう言って、リョウタに水筒を差し出した。リョウタは水を一口飲み、再び作業を再開した。 しかし、問題は廃材の質だった。教会の瓦礫は古く、腐食が進んでいるものが多い。スキルで変換しても、強度が足りないものがほとんどだった。 「この木材は……もうダメだな」 リョウタはがっくりと肩を落とした。エリナも設計図を見つめ、難しい顔をしている。 「このままだと、計画が大幅に遅れてしまいます」 「何とかならないか……」 リョウタは周囲を見回した。すると、祭壇の裏に古びた鉄の塊があるのに気づいた。それは、かつて教会の鐘だったものかもしれない。 「あれは……使えるかも」 リョウタは鉄の塊に近づき、スキルを発動させた。しかし、その瞬間、激しい頭痛が走り、視界が揺らぐ。 「うっ……」 「リョウタさん!」 エリナが駆け寄る。リョウタは膝をつき、必死に耐えた。 「大丈夫……ちょっとMPを使いすぎただけだ」 「無理をしてはいけません。今日はここまでにしましょう」 エリナはそう言って、リョウタを支えようとした。しかし、リョウタは首を振った。 「いや、もう少しだけやらせてくれ。この鉄なら、きっといい素材になる」 リョウタは再びスキルを発動させた。今度は、集中力を高め、MPの消耗を抑えるように意識する。すると、鉄の塊はゆっくりと形を変え、強固な建築用の鉄骨へと変わっていった。 「成功だ……」 リョウタはほっと息をついた。しかし、その代償は大きく、彼はその場に倒れ込んでしまった。 リョウタが倒れた後、エリナは彼を教会の片隅に運び、介抱した。しばらくして、リョウタは意識を取り戻した。 「すみません……迷惑をかけました」 「いいえ、無理をさせてしまったのは私の方です。でも、あなたのおかげで、この鉄骨が手に入りました」 エリナは、リョウタが変換した鉄骨を指さした。それは、設計図に描かれていた梁の部分にぴったりと合うサイズだった。 「これなら、教会の骨組みを補強できます」 エリナの目は輝いていた。リョウタは自分の力が誰かの役に立ったことに、少し誇りを感じた。 「でも、まだまだ廃材が足りないですね」 「ええ。でも、あなたのスキルなら、もっと多くの廃材を有効活用できるはずです」 エリナはそう言って、リョウタに設計図を手渡した。 「この教会を再建するために、あなたの力を貸していただけませんか?」 リョウタは設計図を見つめた。そこには、かつての教会の姿が描かれていた。荘厳な塔、美しいステンドグラス、そして多くの人々が集う広場。 「……わかりました。俺にできることなら、協力します」 リョウタはそう答えた。彼は、この街を再建することが、両親のためにもなると思った。 「ありがとうございます。では、早速ですが、明日からまた作業を始めましょう」 エリナは微笑んだ。その笑顔は、リョウタにとって久しぶりの温かいものだった。 「ああ。でも、今日はもう帰ろう。俺も疲れたし、エリナさんも休んだほうがいい」 「そうですね。では、また明日」 二人は廃教会を後にした。リョウタは、エリナと共にこの街を再建するという新たな目標ができたことに、心が軽くなるのを感じた。 その夜、ギルドの一室で、ガルドは部下の報告を受けていた。 「リョウタという男が、エリナという女性と共に廃教会で何やら作業をしているようです」 ガルドは眉をひそめた。リョウタは追放したはずの男だ。なぜ、まだ街にいるのか。 「エリナ……あの没落貴族の娘か。何を企んでいる?」 ガルドは何かを考え込むように、窓の外を見つめた。 ガルドがリョウタの活動を察知し、部下に監視を命じる。
← Previous Chapter📑 ContentsNext Chapter →
🐦 Twitter 💬 Facebook

💬 Reader Comments

Comments are coming soon. Join the discussion about 追放された鑑定士、最強の【廃品回収】スキルでダンジョン都市を再建する!